いつかみた風景

それは、小さな絵の中に


友人の学生時代の同級生が、

信濃町のギャラリーで個展を開催するとのことで

ご一緒させてもらった。


アートコンプレックスセンター東京

冨本七絵展 ”monsoon”

2011/4/5(tue)-4/10(sun)


自然をモチーフとした女性らしい柔らかい色調の日本画

丁度花盛りの街中が、この部屋の中にまで訪れたかの様、

明るく綺麗な絵に、心がと足取りがふわふわとなる。


数点展示された絵の中でデジャヴを感じさせる1枚があった。


この個展に行く数日前に、

沖縄へ旅行したときの風景を思い出していて、

万座毛から、海を見やっていたら、

水面近くにもくもくと積乱雲が育っていて、

その直下がグレーで煙っている風景を目の当たりにした。


「あの下は雨が降ってるの?」


と一緒にいた友人が独りごちて、

わたしも、あぁ、とやっと気がついた。

自然のミニチュアスケール。

でも、きっと近くに見えて遠く遠くの風景。


地球の大きさに改めて気づかされた風景が、

彼女の作品の中におさめられており、

シンクロニシティに驚いていると、

実はそれは友人の粋な計らいから生じていたことがわかった。

作家の方は、沖縄に住まわれていたことがあり、

そして、趣味でヨガをしているそう。

友人が、何となく、私と作家さんに共通点があるんじゃないかなと思って

今日の展示に誘ってくれたそう。


今回の展示には3畳分にもわたる大作もあり、

この度の地震の余波を受けて、

搬出搬入にとても手間がかかったそう。

そんな背景もありながらも、

今回東京で展示を開催してくださって、

彼女の絵に触れることができて、

本当によかった。

また機会があれば、必ず足を運びたいと思う。