Proto-

竹尾のペーパーショーへ行ってきました。

http://www.takeo.co.jp/cgi-bin/site/index.php


一応会社で用紙の仕入れなどをやっているのに、

紙の種類なんて多すぎて(開き直り)

なのに、勝手に営業からは紙のエキスパートみたいな扱いを受けて、

居心地の悪いことといったら(苦笑)

ま、そのまま、取引ある紙屋さんに聞いたことを丸っと伝える、、、

というような伝言ゲームのようなやり取りから、

もっと自ら紙に寄り添ってみよう。。。

そんな意識も少しありながら、

単純に、原研哉さんの"HAPTIC ―五感の覚醒"を読んで以来、

ずっとペーパーショーに行ってみたかったのに、

忙しいことを言い訳にしてずっとゆけてなくて。

今年念願かなっての初めて、行ってみたというわけなのです。




会場は丸の内ビルディングの7F。

絨毯敷きの高級感あるエントランスにて受付。

な、なんだか、緊張(苦笑)


土日は混雑が予想されますとのことでしたが、

土曜日の午後イチのランチの時間に滑り込めたこともあって

混雑にも飲み込まれず、展示を堪能することができました。


展示ブースにつながる廊下から既に、

紙たちの歓迎は始まっており、

四方を紙で囲まれたトンネルをくぐると、

ふんわり、紙のにおいが優しく漂ってきた。


紙って言うものは、使用するわたしたちにとって

日常的すぎて、消費され続けるものであって、

日々大量に工場で生産され続けているもの、

機械が作り出した何か冷たい印象があるけれど、

元来、紙とは植物より人の手で生み出されたものであり、

でこぼこした紙の表面が

冷たい水にぬくもりをあずけて、

紙を作り上げてゆく職人さんを思い起こさせた。


お次は天井から様々な紙が吊るされて、さながら紙のカーテン。

え、これも紙なの?!とびっくりする程、

厚みが有るのに、柔らかくて、滑らかでしなやかな、

まるで布に触っているような感覚のものから、

見た目はいびつだけれど、

そっと香ってみると植物の香りのする紙など、

五感で紙を感じられるブースだった。


お次のブースは紙と切っても切れない関係の水Meets紙。

数千枚は有るかと思われる、さながらブロックに見える正方形の紙の束。

私たちの頭上から、一滴ずつ、水のしずくが等間隔に落っこちてきて、

紙を浸食してゆくという面白い展示、

学生時代の理科の実験を思い起こさせる

一風変わった展示に人だかりが。

つららや鍾乳洞の石の構成の逆をたどっているというか。

いずれも時間のみが、その、終わることの無い完成を知っている芸術というか。

そんな風に、水と紙の関係性に終わりがないように、

わたしたち人と紙の関係性にも終わりが無いのだろう。


そのお隣には、水に解けたパルプが

どのようにして紙を作るのかという流れを示した簡易模型。

ベルトコンベアのベルト部分が、細かい網状に成っており、

その網が流れるパルプを掬い上げてゆく。

コンベアは進み、少し先にある水たまりに再びパルプを運びおろす様子が、

紙は、紙として生まれ、そして水に還ってゆく様子を表しているんですって。

その網の上では確かに紙の形状を思わせていたパルプが、

水たまりの中で撹拌されて散ってゆく様子は

なんとなく自然を思い起こさせたし

(わたしは雲の生まれる瞬間ってこんな風かなって、そんな風に感じた。)

すごくいい展示だった!


続いては、ぷかぷかとくらげのような形態の紙が空を舞っているのが見えてきた。

紙の柔らかさをエアーで宙に舞わせることによって、

視覚的にさらに柔らかさがましてゆくかのよう。

童心にかえって、ぽっかーんと、この不思議な光景に見入ってしまった。

不思議な光景と言えば、そのとなりのブースには、

白紙の新聞用の紙が山積みに成っていた。

目の端に、七色の光を感じて、再びその白紙の新聞に目を戻すと、

まるで、電子書籍の用に、ぽわーんと、紙面がその紙に映し出されて、

れっきとした新聞に姿をかえていた。

手元には白紙のはずの紙があるので、

紙を繰る音は、新聞そのもの。

でも白紙。この不思議体験。


そのお隣では、

紙の学校というワークショップが催されており、

紙目についての講義中だった。


カレー屋さんで食べるナンが、

のばした方向にはきれいにちぎれるけれど、

のばした方向とは逆向きにはうまいことちぎれないよ!

という体験をした方はいませんか?

それと同じように(同じなのかw?)紙にも、目があり、

紙の目は紙の加工に関わってくる、1つの重要なファクター。

ティッシュペーパーでもその紙の目を感じることができるので、

試しに一枚ちぎってみると、あーーーって思われるかもしれません。

ワークショップでは、手渡された一枚の紙をちぎって、紙の目を感じていました。


最後の展示が今回の展示の中でも圧巻で、

なんと、成人男性の身長程もある、

大きなトイレットペーパーが。

三つも四つも重ねられた柱がずどんずどんと数本。

紙の森だそうです。

その柱にそっと触れてみると、

赤ちゃんのはだのように滑らかな触り心地。

優しい森を感じていたら、目の前には、紙の滝。

先ほどの巨大なペーパーロールが、

つづら折りになされており、まるで紙でできたベット!!!

寝転がりたい衝動をどうにかおさえて、

紙の弾力に手の重みを与えてその弾力を楽しんだ。


展示を堪能して、新製品見本帳をいただいた。

ワークショップで使った教材の一式が購入できるとのコトだったので、

それもお買い上げしてにっこにこで帰路。

紙の先生の授業が楽しみ!!!

教材の方は追ってまた報告したいな、と。