Night Hike

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夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

予備知識なく、[その街のこども]という映画をみてきました。


夜の空気って、

どうしてあんなに親密なんでしょうか。


いつか、知人が、

夜には理性を越えさせる力があると言っていたのに

納得したことがあります


恩田陸さんの著作にある夜のピクニック

大好きな作品で、何度も何度も読み返してます。

恩田陸さんが卒業された学校で実際にあった

歩行祭というイベントがモデルになっているそうで

学校の生徒一同が列をなして、夜中歩くというイベントで、

その中で起こった出来事が2人の主人公によって語られるストーリー。

みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう


今日みた映画、その街のこどもは、

阪神淡路大震で被災した男女が時を経て15年

大人になり、それぞれの思いを抱いて神戸に降り立ち、

偶然知り合うところから始まり、

ひょんな事から、夜中歩くことになり、

お互いの気持ちを吐露してゆく。


主人公二人は、今時の若者という感じで、

夢見がちすぎない冷静さと、

何か日々の生活にあきらめをのぞかせるような、

自らをそこに投影せずにいられないキャラクターが描かれており、

更にそんな二人の出会い方や、話のすすみ方にもリアリティがあって、

テンポよくすすんでゆき、どんどん引き込まれてゆく。

二人のナチュラルな関西弁もその効果を手伝っているのかも。

世の中には答えのない物事の方が多いかもしれないけれど

それでも明けない夜はなくて。

物語のラストは、明るい日が差し込んできた朝のような

暖かさと、さわやかさが残る映画だったと思う。

夜の親密さと、初対面のぎこちなさの

街の中を歩き続ける二人の

距離感が非常にうまく描かれており、

いかにも作り物!という気持ちにさせないところが

ドキュメンタリー物をみているかのような気持ちにさせられた。


□□□□


とてもいい気分で映画を見終えて、

続いては、知人が「カタチにまつわる本をテーマにしたトークとワークショップ」を

恵比寿のイベントスペース amu で開催するとの事で、参加してきました。

http://synapse-ag.tumblr.com/


以前、自身が聞きかじった"自然界において、六角形という形は非常に安定している"

という事の裏付けともなる、実例をあげたお話を聞くことができたり、

幼い頃の工作のように、ボンドと棒切れを使って、正面体を作り上げたりして

たいへんニンマリな内容のワークショップでした。

f:id:syncream:20110130194301j:image


ところで、今、この本を読み直しています。

デザインの輪郭

デザインの輪郭

今回のワークショップに参加したいな、と思ったのも

丁度、この本を小脇に抱えていたから。

表面張力、張り、形と形がふれあうことによって形を成していること。

今日のお話とリンクすることが多くて、

気付きが増えそうな、そんな予感の読書になりそう。