2011-11-26

気配を感じ取る部屋・・・

三鷹天命反転住宅


友人に誘われて、三鷹にある天命反転住宅へ。

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住宅と名のついているだけあって

現在はすべての部屋に入居者が入ってるとのこと。

生活感の見えづらい外観。

見学者用に開かれた3LDKタイプの部屋は

普段、ウィークリーマンション用の

短期契約者への貸し出しを行っている棟のようで、

家具がほとんどなく、

ここにいったい人が住めるのかしらん???

という印象が拭えない。


まず扉を開けると、プールサイドの滑り止めを打ったような固い床に、

でこぼこと大人と子どもの手のひら大の凹凸がある。

一つ一つ計算され尽くされてて、光を受けるといずれかの場所に

影ができるようにそのでこぼこは存在しているようだ。

傾斜があったり、まったくでこぼこの無い箇所が隠されていたり

人間が歩く事を意識したり、自分が今いる場所を感じるための

意識するための床、そのためのでこぼこ。

思い思いに床と過ごす事を試してみる。

ねっころがってみたり、凹凸を外して、平らな部分だけに足をおいて歩いてみたり。


今度は天井を見上げると、床の傾斜とは逆の向きに傾斜している天井から、

銀色の何かを引っ掛けるようなフックが部屋中に存在していることに気づいた。

この家には実は大きな収納が存在せず、

天井からものを下げる事によって収納をおこなう仕様なのだそう。


3つの部屋のうち特に特色のある2つの部屋の説明をしたい。

1つは和室。室内に玉砂利のある和室。丸い畳。

日本人の愛すべき敷物、畳。あの香り、あの手触り。

このコンセプトの部屋にして、欠かせないアイテムじゃないかと、

今にして納得。

もう1つは、球体の部屋。

実はこの部屋にはまっすぐな柱というものが存在しないらしく、

球体筒型四角型の4つの部屋が支柱になっているという驚くべき構造!

球体の部屋の中身はその名の通り球体にくりぬかれており、

中央に立って言葉を発すると

乱反射した自らの言葉が耳に戻ってくる様子の面白い事と言ったら。


さてこの住宅の奇抜な部屋構造の他にもう一つの特色が。

それは、クレイジーなまでの色使い。

内外装を含めて、全部で14色に色が使用されており、

とある法則をもとに配色されているとのことですが

法則のすべて理解した人はいるとかいないとか。。。(笑)

その法則の1つとして、どの箇所からみても必ず6色が目に入る様に配色されているとのこと。

人の目は一度に7色以上の色を見ると、

一つ一つの色の見え方をその色そのものとして理解できなくなり、

適正な補調・調整を行ってしまうのだそう。

人間の体が自然な作用を促されるような配色の法則なのだそうだ。

このテーマは配色の事だけにかぎらず、様々な箇所に応用されており、

例えば、手洗い場の床が必要以上に傾斜されているのは

足の筋肉や筋ののび方を促す効果があるし、

前述の床も、でこぼこにが足をとらえて青竹踏みの効果を得ているし(笑)、

天井に衣類をかけるためのフックをかけようとする背伸び運動や、

腕をのばしたりすることも

普段使わない体の場所を知らず知らずのうちに動かす作用を促している。

部屋に設置されているはしごに登ったり降りたりすれば、

足腰の上下運動にも、、、


そんな風に、この部屋には、

人が行動せずにはいられない、なにかワクワクというか。

テンションをあげさせる効果があるのだろうなっていう。

その作用というものが、

きっと人間の天命・・・人はいずれいつか死ぬ

その運命すらを反転させる

reversible destiny

これがこの建物の大きなテーマとなっていることを

わたしは此の度、この家に足を踏み入れる事によって知る事ができた。

いつか行きたいな、養老にも。