5月病の顕著な症状の一つとして
何をするにも億劫で
ここさいきん食べては寝て
そして肥えという悪循環を繰り返してた
5月末のあの衝撃を持って終結宣言を自らに下したわけで
その一発目の休日をグダグダ過ごしちゃらんないと
いきまいていたはずなのだが
このあいにくのお天気
しょうがない
わたしが出かければ雨は降り始め
わたしが出かけたいと思えばくもり模様
どうやらそれがルールみたい
まぁ
帽子かぶった雨おとこさん率いる彼らもお出かけのようですしね・笑
そんなわけで
手元にたまってる本を読みふけろうと
[わからなくなってきました / 宮沢章夫]
お借りしたのは普段から可愛がってもらってるアネゴ殿
ものすごい頭の回転速い女史なのだが
なるほどこの本をバイブルにしてるだけある
ますます尊敬厚くなった
わたしの頭のイイヒトの基準とは
世の中になんとなく存在しているものたちの立場を
瞬時に汲み取ってそれらの存在理由を他人に納得させてしまうような
話術だったり、あるいは動向なりを起こせる人物を指す
通常、人は関連性だったり相互性、互換性を重視する、つまり唐突をけむたがる
けれど頭のイイヒトたちにはそういう通常というくくりが利かない
最終的にはそこに結び目を必ず見出し通常人を納得させてしまうからね
宮沢章夫はそういう人
ANATAの松浦さんも同じ種類の人だと思ってる(そう信じたい・笑)
そしてこの本を貸してくれた女史殿も
お次は[風味絶佳 / 山田詠美]
6編にわたる短編集
タイトルになっている作品自体は
個人的にそんなに香ばしくはなかった
印象的だったのは登場人物(男たち)が
人間の営みに最も近い場所-心であったり、体であったり-
での作業に従事した仕事を手に持っていること
他人の出したゴミを回収する衛生職員だったり
住居移転に伴って大きな心境の変化を経験する人々に寄り添い
その作業を手伝う引越し作業員だったり
貯水槽、汚水槽など水のかかわる場所の清掃員だったり
斎場総合メンテナンス、、、人の最期を請け負う会社につとめていたり
そういった人に近しい場所で生きている人々が
こうして生き生きとしている姿を見るのはすがすがしい、そしてなまなましい
読感は悪くないが少々胃に重い気もしないでもない
アトリエという作品は一種ホラーだ
そう
何も持たないことによって
身を守り続けている人種が
世の中には存在するのだ
「人が自分のために一生懸命になってくれるのって、嬉しくて悲しいことなんだねぇ」
このセリフを聴いて
わたしは心底、ゾっとした
また別の話
恩田陸という作家を運命的に
もう盲目的にというほど愛してるんです
とはいっても一時期ほどののめりこみようではないし
ましてや作家自身の勢いも半ば失速気味かなぁ
とも個人的には思ってたところ
「本屋大賞」なる賞を受賞したりと
世間ではまだまだ話題の作家である女史の新作
(といっても発表は、もう3,4年前にさかのぼるほどらしい)
[蒲公英草子]のゲラ刷りを頂いたので拝読した
某シンガーソングライターが
他アーティストに作品提供した曲と
自身の名義で発表した曲の一部分が
酷似しているとリスナーから声があがったときに
こんな風にいっていたのが強く印象に残ってる
「同じ原点から派出した、兄弟曲なんです。」
うん。
意識的であるのであるのならば
提供してもらっている側からはなにもいえますまいな・笑
なにが言いたいのかといえば、
蒲公英草子にももしかしたら兄弟がいたかもしれない
と勝手に思ったから
女史の作品に[蛇行する川のほとり]という作品がある
美少女と美少年たちのひと夏の成長と
彼らの身辺にまつわるミステリーが解き明かされる・・・
というのが大まかなストーリーであるが
蒲公英草子も同じ風に解説することができるのだ
もちろん全体は違う作品であるわけだし
女史独特の文章で瞬く間に作品に引き込まれてしまうわけなのだが
ぜひとも合わせて、世界観を体感してもらいたいということで
関連を持たせて紹介したまで
それにしても彼女の作品の登場人物は
なんだっていつも美少女・美少年なのだろう・笑